【キャスティング知識】モデルの肖像権、パブリシティ権(肖像財産権)って何?モデル肖像権について注意しなければならない事

投稿者: 小林 力

【キャスティング知識】モデルの肖像権、パブリシティ権(肖像財産権)って何?モデル肖像権について注意しなければならない事

(この記事は約3分位で読めます。)

モデルの肖像を使用する上で「使用期間」が金額に大きく影響する事は過去のコラムにも記述させて頂きました。(「モデル肖像使用中に気を付けなければならない3つのポイント〜導入編〜」「モデル肖像使用中に気を付けなければならない3つのポイント~実践編~」)

そもそもこの「肖像権」といったものや「肖像財産権(=パブリシティ権)」というものはいったいどんなものなのでしょうか?

様々な権利の種類、そして関係値を整理し、モデルの肖像を使う上で気をつけなければいけないポイントを抑えておくとスムースにクリエイティブ活動に注力が出来る事と思います。

今回は肖像権とその下位に位置する肖像財産権(パブリシティ権)に関する整理、そして、そこから見える“モデル肖像を利用する時に注意するポイント”をまとめてみようと思います

1.肖像権について簡単に説明すると

1.肖像権について簡単に説明すると

◆【肖像権=「プライバシー権」と「パブリシティ権」の二つからなる権利】

現在、一人一台と言えるスマートフォンやiPhoneですが、そういった多くの情報端末に必ずと言って良いほどカメラの機能がついています。皆さんもSNSに映り込んでしまったり、許可をしていないのに突然写真を取られてしまったりして、一度や二度は不快な思いをした経験もあろうかと思います。

実は、日常生活において不快な出来事を回避する為、本来、私達を含む全ての国民に「肖像権」があります。そして、この肖像権には二つの側面があります。

肖像権

  1. プライバシー権:無断撮影されたり、それを勝手に公表されないように主張できる権利。(人格権に則した権利)
  2. パブリシティ権: “ファンや顧客を商品等に引き付ける顧客吸引力や訴求力”から発生する経済的な利益・価値はそのモデル本人やタレント本人のみが保有できるという権利。他者に無断利用されない権利。(財産権に則した権利)

私達がキャスティングをし、皆様が起用されるモデルには、国民全が持つ①の「プライバシー権」に加え、その肖像については②の「パブリシティ権」が成り立ちます。

モデル達は専属契約をし、この肖像に関する一切の使用許諾管理を所属事務所に委託しているので、クライアントの皆様やキャスティング会社の私達であったとしても、モデル事務所に必ず“モデル肖像の使用許諾”を得なくてはなりません。

2.モデルの肖像権に関する重要性と気をつけなければいけないポイント

モデル(、または管理の一切を依頼されているモデルエージェンシー)から得た許諾範囲を超えて肖像を使用してしまった場合、使用する主体であるスポンサー・クライアントが責任を免れる事はできません。

許諾を得ない、または許諾の範囲を超えて肖像を使用してしまうと、肖像権・パブリシティ権の侵害となり、判例上使用差止請求はもとより、民法に基づき損害賠償請求や名誉回復措置請求(謝罪文書広告等)が認められてしまった事実もあり、大きなリスクを抱える事になります。

このトラブルから回避するためには、

  • きちっとした(肖像権について正しい知識と管理ができる)事務所に所属したモデルを起用する事
  • モデル事務所と明確な使用許諾を定める事(⇒定め、締結に運べるキャスティング会社を経由する事でもOK)

aModelcastingでは全ての案件においてこれを念頭に置き、キャスティングご提案を行っています。

お気軽にご相談ください

3.モデル肖像についてのこれから

モデル肖像についてのこれから

期間を無制限にした「期間買取」については万人が超えられない権利の壁があります

aModelcastingへの御依頼でも期間を無制限にした「期間買取」のご相談をいただくことがあります。

以前、別コラム「“買取”という形態でモデルの肖像を使用する事はできるのか」にて取り扱いましたが、そこでも言及させていただいたように、まだまだこのような期間無制限の形で契約締結にいたる事はかなり稀です。

もちろん私達も多様なニーズにお応えしたい所でもありますが、「パブリシティ権」はそもそも“当人の死亡を以て権利消滅し、権利の譲渡・相続も認められない”という法律が基本軸となっています。そのため、このような「期間買取」の要望は、肖像権に対する“無期限の契約は制作者外に一方的に有利な契約”と見なされ、効力を失ってしまう危険性があるのです。

(これはストックフォトの世界でも同様の事が言え、最長でも“5年を以てモデルリリース”としている企業が大半です。)つまり、期間無制限という形で私達やモデル事務所が了承したとしても、パブリシティ権の特性上、無理が発生してしまうこととなります。

◆一般の方(=事務所等に所属していない方)をキャスティングする場合の注意

同様に、一般の方をキャスティングするにあたり、仮に本人から無期限の使用許諾(モデルリリース)を受けたとて、上記の理由からその効力をなくしてしまう可能性もあります。

この問題は、肖像がデジタルで流通する昨今に始まった、新たな課題であると言えます。
使用するクライアントの皆様への警鐘やリスク回避については、WEBが主流となる昨今、様々な記述を目にするようになりました。媒体が変化する中で、モデルや被写体となる人の肖像権を守ろうとしている動きもある一方、その注意喚起はまだ少なく、様々なポイントについて理解不足のまま、自己の肖像権に関してリリースのサインをしてしまう方がいることも事実です。まだあまり例を見ませんが大きな社会問題となってしまった場合にはどのような事態に発展するのか想像しえない所もあります。

当然、このような需要が増えてきている事も事実ですので、今後どのような整備がされ流通が整って行くかは私達も注視する所です。

私達aModelcastingは常にモデル起用される方々の安全を念頭に置き、キャスティングサービスを提供させて頂きます。ハードルの高い条件のモデル手配に関しましても、なんなりとお問い合わせください。ご連絡をおまちしております!

《まとめ》

肖像権=「プライバシー権」と「パブリシティ権」の二つからなる権利

《肖像権が持つ2つの側面》

①プライバシー権:無断撮影されたり、それを勝手に公表されないように主張できる権利。(人格権に則した権利)

②パブリシティ権: “ファンや顧客を商品等に引き付ける顧客吸引力や訴求力”から発生する経済的な利益・価値はそのモデル本人やタレント本人のみが保有できるという権利。他者に無断利用されない権利。(財産権に則した権利)

《モデル肖像権について注意しなければならない事》

  • きちっとした(肖像権について正しい知識と管理ができる)モデル事務所に所属したモデルを起用する事
  • モデル事務所と明確な使用許諾を定める事(⇒定め、締結に運べるキャスティング会社を経由する事でもOKです)