

投稿者: yuta suzuki
【肖像管理も一括で!】 モデル肖像使用期間に関する3つのポイント〜導入編〜
(この記事は約4分位で読めます。)
さて、今回はモデルを使用してからのお話。
無事撮影も済んで、広告も出来上がった!達成感!お疲れさまでした。
しかし、“モデルを使用する”ということは、これで終わりではありません。
“定められた肖像使用期間を守る”
というのも大切な仕事のひとつです。
そして、たびたび耳に届くのが、
「突然『モデルの使用期間がすぎているのでWEBから撤去してください』と言われた。。」
「モデル事務所から『売れっ子になった』という理由から、次回の契約更新で“ギャラの見直し”の話をされている。。」
「モデルの所属事務所が変わり、新しい事務所から『現在の広告の出演は更新できない』と言われている。」
こんなシーンに出くわし困っているクライアントの声。
私達キャスティング会社は、モデルを起用した多くの企業の販売力が向上する事とより多くのモデルが活躍する事を願っています。
だからこそ撮影後のサポートも万全に行うことも使命だと思っています。
今回は、何故このような”かけ違い”が生まれてしまうのかを整理し、
読んでいただいた皆様がもっとスムーズにモデルを起用いただけるようになるよう、
まとめさせていただきます。
1.そもそも、何故モデルの肖像使用期間(=モデルの契約期間)を把握しておく必要があるのか?
モデルの出演料(ギャラ)の基本的な考え方は以下の3つ。
“いつからいつまで”
“どこに”
“誰を出演させる”
この3つさえ正確に提示できれば正確なキャスティングと金額設定が可能です。
つまり、
モデルの出演料=『肖像使用期間・出演期間』×『媒体(露出の多さ)』×『モデル(のランク)』
というのが基本的な考え方。
たまに相談を受ける、使用期間を定めない「買取り」は実はほぼ皆無に等しい現状です。
モデルにはその広告の契約期間が決まっていて、多くのモデル事務所がこの計算式を元に出演料を算出しています。
故に使用期間には必ず“終わり”がついてまわります。
そして少し厄介なことに、この”終わり”を通知するルールは曖昧で、
「肖像使用期間の終了に対して充分な時間をもって連絡をしてくれる事務所」もあれば、
「契約期間を過ぎてようやっとアラートをあげてくる事務所」更には、
「使用期間の終了について、全く連絡をしてこない事務所」…と、
モデル事務所の数だけ連絡パターンがあることです。
2.事務所側が管理してくれるものではないのか?
もちろん事務所側が管理・通知してくれることが理想であり”原則”です。
しかし、現実なかなか追いつかない。
その理由は、事務所マネージャーの仕事の多さに起因するようです。
モデル業界では、スタッフが10人以下の事務所がマジョリティと言えます。
一般的なモデルの仕事の決定率は売れているモデルでも2~30%。
逆算するとモデル事務所には”決定案件の約5倍から10倍程度の案件が絶えず発生している事”になります。
大手の事務所であれば案件管理システムやスケジュール管理のシステムもあろうことですが、殆どの事務所はアナログな管理をしています。
モデルのケアをしながら日々それをまわすとなると、
使用期間の終わりに向けて先回りして連絡してくれる余裕がある事務所とそうでない事務所が混在する事はなんとなく想像できます。
3.管理体制を整えて、トラブルを未然に防ぐ。
多くの場合、どのようなクリエイティブについても、管理を担当するキャスティング会社や制作会社がモデルの使用期間終了に近づくと、
“使用中のクリエイティブを引き続き使う?”
“広告を取り下げる?”
“別のモデルを使って制作しなおす?”等々…
これらの選択をクライアントに確認する構造になっています。
このようにモデル肖像期間管理だけでも大変な工数と手間がかかっています。
バラバラの事務所で契約方法もバラバラ。
加えてギャラの見直しというモデル単位の調整までかかるとなると更に時間がかかります。
また使用期間の終了を直前に通達されたとしても、再撮影だけでもコストがかかりますし、イチから制作しなおす猶予もありません。
せめて「余裕をもって教えてくれれば・・・」ということもありますが、
兎にも角にもスポンサーには話をしずらく、制作を担う方にすれば、ストレスのかかる作業です。
とは言え、使用期間がある以上、それを反故にすればエージェンシーとの契約違反になるだけでなく、使用期間を過ぎたモデルを勝手に使う事は
使う側にもリスク(ex.競合の広告に出演している、既にモデル業界を去っている、ネガティブなトラブルを抱えている…)が付いて回る事もあり、
決しておススメできる事ではありません。
トラブルを未然に防ぐために大事なことはこの2つ。
- 肖像使用期間を把握しておきましょう。
- 期間を過ぎてそのまま使う事は大きなトラブルになるので避けましょう。
後編では、そのよくある事例3パターンから、防ぐ方法、伝授します!